藤色(ふじいろ)   
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 藤色  (ふじいろ)
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藤の花の色。明るい青紫。藤はマメ科の落葉低木で、日本、中国、北アメリカの温帯地域に7種あり、日本原産のフジとヤマフジと中国原産のシナフジの3種は園芸植物として世界でも愛好されている。これらの藤は花房が長いこと、花色が藤紫を基調として艶麗なこと、芳香があることが要因となっている。

ヤマフジは青森県から沖縄県まで自生する日本特産種であることから、日本人にとっては古くから身近な花であった。藤の蔓は上部で長く20M以上になる事もあり蔓から取った繊維は葛と並んで日本人の暮らしの中で最も古くから活用されてきた。籠に始まり物を結わえたり、絹や木綿がもたらされる以前はこうぞ、科(しな)麻などと共に衣料には欠かせない素材で、原始布のもととなっていた。粗布は丈夫で、酒絞りやもち米を蒸すせいろの敷き布としても重宝されていた。

紫色が色彩の王者として尊ばれ、美の極致とされたのは平安時代のことで、高貴な色のイメージを今なお抱く人は多い。その中でも薄紫系の色で女性に愛好されているのは藤色であった。合色目の中にも藤があるが、これは表が薄紫、中部が白、裏は萌葱で柔らかい色調であった。藤色は日本人の嗜好にあっていたらしく、さまざまな色調と色名を生んだ。(藤紫、紅藤、淡藤、藤納戸、藤ねずみ、藤茶など)

藤は日本十大紋の一つでもあるが、平安時代にはすでに衣服の紋様として使われていたようである。中臣鎌足の末裔である藤原一族がもちいた紋の一つで藤原氏が栄えたことから藤紋が普及していったという説がある。

また枕草子には「色あひふかく、花房長く咲きたる藤の花松にかかりたる・・・」とあり、古くは松は男性、藤は女性のシンボルとして松にかかった藤の姿を男女和合の相とした。このように平安文学や万葉集には藤を詠んだ歌が27首あり、わが国の代表的な花木とされてきた。

藤にまつわる「古事記」からの話。
ある男性が一人の娘に恋をし、みずから藤のつるで作った衣服を着て、沓(くつ)をはき、娘のもとを訪れる。すると着ているものがすべて藤の花になってしまう。娘はその不思議さに驚き男に身を任せ結婚したという。




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