牡丹色(ぼたんいろ)
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 牡丹色 (ぼたんいろ)
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春から夏に咲く牡丹の花色。濃い紅色から淡い紫色まで幅広く称している赤紫。

牡丹の原産地は中国で元来、薬用として珍重されていた。白楽天などの詩人たちが牡丹の花の豊麗さを賛美するようになって観賞用として人気が高まり「百花の王」「富貴花」などと呼ばれるようになる。
唐の時代に本格的な栽培が始まり、古都洛陽が牡丹の栽培で有名なことから「洛陽花」とも呼ばれたが、中国で花と言えば「牡丹」を指している。また別称「薬草の王」とも呼ばれている。また幸福と繁栄のシンボルとされ、中国の家庭では牡丹を飾って春を迎える新年を祝う花である。「牡丹と唐獅子」の綺麗な図柄は百花の王と霊獣の一つの獅子を組み合わせる事で護守としての意味があり中国ならではのものである。

日本には薬用として奈良時代に紹介されたが薬用目的として、主に施薬として寺院に植えられた。観賞用としてもてはやされる様になったのは意外にも新しく江戸時代になってからである。そのせいか万葉をはじめ古い詩歌に牡丹を歌ったものは極めて少ない。しかし図柄としては鎌倉時代、室町時代の特に甲冑に残され、牡丹がご守護としてのエネルギーがあるとされ好まれたようだ。
神護寺の源頼朝画像の着衣にも図案化された牡丹が描かれている。また近衛家ははじめて牡丹を車紋として使用し、のちに家紋に転じていった。

色として取り上げられるようになったのは平安時代後期頃でかさねの色目として「牡丹」と言うのがあるが、これは表が蘇芳、裏が薄赤などの色を使っている。この色名そのものの染色が行われるようになったのは、明治後期で、外国から科学染料が輸入され彩度の高い派手な牡丹色が染められるようになった。

「たてば芍薬座れば牡丹歩く姿はゆりの花」などと美人の形容として言われている牡丹と芍薬は区別するのが難しいが、基本的な違いは牡丹は木で、芍薬は多年草の草である。日本と中国ではこの2つの花を区別するが外国では学問的にPeony(ピオニー)という名で同種として扱われている。牡丹の花は葉の上に座るように咲くが芍薬は長い花茎を伸ばして立って咲き、少し小首を傾げる様は女性がはにかんだ様子に似ているとヨーロッパでは芍薬の花言葉は「恥じらい」と言われている。

「花開き花落ちの二十日」短命な牡丹の花が持つ情緒性をいとおしむ白楽天の詩。




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