朽葉色 (くちばいろ)
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 朽葉色 (くちばいろ)
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秋の山に入り込んだ途端、種類の違った木々の紅葉は人の目を楽しませ、地面を覆ったさまざまな落ち葉の、その豊かな色のハーモニーに心が奪われた経験が誰しもあると思う。その様な落ち葉の枯れた色を「朽葉色」という。

この色名は平安時代頃にはあったようで、源氏物語の「野分」の中で、光源氏の妻の一人である花散里が台風が過ぎ去った後夜明けの寒さに義理の息子である夕霧の為に冬装束を用意する場面に「いときよらかな朽葉のうすもの今様の二なく打ちたるなど引き散らしたまへ」とある。
朽葉色は葉が朽ちて土に還ろうとしている色にもかかわらず、汚れなく美しい色とし、かさねの色目として用いられるなど、平安時代の色に対する優雅さを感じさせられる。

朽葉色を基本として俗に「朽葉四十八色」と言うように、その色はバラエティーに富んでいて、大きく分けて黄朽葉、青朽葉、赤朽葉、濃朽葉、薄朽葉などに分けられる。朽葉色の基本はウコンと紅花で染めているが、ウコンは黄色、紅花は赤に染まり、その分量や染めの回数によって色調は多様に変化している。灰汁媒染でもアルカリ性が強ければ茶を増す。どちらにしても朽葉色は黒ずんだ色ではなく、明るい色であったようだ。

江戸時代には朽葉系統の色は「○○茶」と呼ばれる。平安時代にはお茶はまだ飲料としてではなく、薬として上流貴族だけでしか服用されていなかったので、色名として「茶」を使うようになったのはお茶が庶民の飲み物となった江戸時代からのようである。




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